【3分でわかる】3PLとは?仕組みと5つのメリット

「物流業務は専門の会社に任せた方がいいのかな?」

「物流コストの削減方法を見直したい」

「自社の物流業務を効率化したい」

このようなお悩みはありませんか?

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)とは、物流のプロが貴社の物流業務を包括的にサポートするサービスです。物流業務を専門家に任せることで、コスト削減や業務効率の向上が期待できます。

この記事では、3PLの基本的な概念から、メリット、種類まで詳しく解説します。物流戦略の見直しをご検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。

3PLとは

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)は、企業の物流業務を包括的に請け負うサービスです。「Third Party Logistics」の略称で、荷主企業の物流業務を一括で引き受ける事業形態を指します。

近年のEコマース市場の拡大に伴い、物流業務はより複雑化しています。3PLでは、専門的な知識とノウハウを持つ事業者が、荷主企業(第一者)と顧客(第二者)の間に入る第三者として物流業務を担当します。

具体的には、倉庫での保管、在庫管理、入出荷作業、配送計画の立案など、物流に関わるすべての業務を一元的に管理します。また、荷主企業の課題を分析し、最適な物流システムの設計や物流戦略の提案も行います。

3PLのメリット

3PLには以下の5つの大きなメリットがあります。

  • 物流コストの削減
  • 業務効率の向上
  • 物流品質の改善
  • 本業への集中
  • 物流の柔軟な対応

それぞれのメリットについて具体的に解説していきます。

物流コストの削減

3PL事業者の規模の経済性を活用することで、物流コストを大幅に削減できます。

自社で物流業務を行う場合、倉庫の維持費や配送車両の固定費など、多くのコストが発生します。一方、3PL事業者は複数の荷主企業の物流をまとめて扱うため、設備の稼働率を最大限に高めることができます。

また、3PL事業者の持つ物流ネットワークを活用することで、配送ルートの最適化も可能です。これにより、輸送コストの削減にもつながります。

業務効率の向上

3PL事業者は最新の物流システムや設備を導入しており、高度な業務効率を実現できます。

倉庫管理システム(WMS:Warehouse Management System)は、入出荷や在庫管理、ピッキング作業などの倉庫内のすべての業務を一元管理するシステムです。また、輸配送管理システム(TMS:Transportation Management System)は、配車計画や配送ルートの最適化、運送状況の可視化などを行うシステムです。

これらの専門的なシステムをすぐに利用できるため、初期投資を抑えながら効率的な物流体制を整えることができます。さらに、3PL事業者の持つ業務改善のノウハウを活用することで、継続的な効率化も期待できます。

物流品質の改善

3PL事業者の専門知識とノウハウにより、物流サービスの品質を向上させることができます。

例えば、適切な在庫管理により欠品を防ぎ、リードタイムの短縮を実現できます。また、商品特性に合わせた最適な梱包方法の提案や、配送時の破損防止対策なども期待できます。

物流品質の向上は、顧客満足度の向上にもつながります。

本業への集中

物流業務を3PL事業者に任せることで、企業は本業に経営資源を集中できます。

物流部門の人員を営業部門や商品開発部門に配置転換することで、企業の中核業務を強化できます。また、物流業務に関する意思決定の負担が減ることで、経営層は重要な経営課題に注力できるようになります。

物流の柔軟な対応

3PLを利用することで、物量の変動に応じて柔軟な物流体制を構築できます。

季節変動の大きい商品を扱う企業や、急激な成長期にある企業にとって、この柔軟性は大きな魅力となります。繁忙期には物流キャパシティを拡大し、閑散期には縮小するなど、需要に合わせた最適な物流体制を実現できます。

また、新規出店や新商品の投入時など、物流体制の変更が必要な際も、3PL事業者のサポートにより円滑に対応できます。

3PLの種類

3PLサービスには、業務の範囲や提供形態によって大きく4つの種類があります。

  • 倉庫型3PL
  • 輸配送型3PL
  • フルフィルメント型3PL
  • リバースロジスティクス型3PL

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

倉庫型3PL

倉庫型3PL(サードパーティー・ロジスティクス)は、荷主企業の商品を倉庫で保管するだけでなく、入出荷や在庫管理、ピッキング、検品などの物流業務を包括的に請け負うサービスです。

大規模な倉庫施設と高度な在庫管理システムを活用することで、効率的な在庫管理を実現します。また、商品の特性に応じた保管環境の提供や、季節変動への対応も得意としています。

輸配送型3PL

輸配送型3PLは、トラックなどの輸送手段を活用した配送業務を中心にしたサービスです。

配車計画の立案や配送ルートの最適化、輸送状況の管理など、輸配送に関わる業務全般を担当します。全国規模の輸送ネットワークを持つ3PL事業者も多く、広域での配送にも対応できます。

また、温度管理が必要な商品の輸送や、緊急配送など、特殊な配送ニーズにも対応することができます。

フルフィルメント型3PL

フルフィルメント型3PLは、受注から発送までの業務に加え、顧客対応や決済処理なども含めた、より包括的なサービスです。

特にEC(電子商取引)事業者向けに、注文処理、在庫管理、ピッキング、梱包、配送だけでなく、返品対応、カスタマーサポート、決済代行まで、ECビジネスの運営に必要な業務をワンストップで提供します。

受注情報と在庫情報を連携させた独自のシステムにより、24時間365日の受注対応や即日出荷など、EC事業者特有のニーズにも柔軟に対応できます。また、売上データの分析や在庫の最適化提案といった経営支援サービスを提供する事業者も増えているのが特徴です。

リバースロジスティクス型3PL

リバースロジスティクス型3PLは、返品や回収、廃棄物処理などの逆流物流を専門的に取り扱うサービスです。

商品の返品処理、修理品や不良品の回収、リサイクル品の分別・処理など、通常の物流とは逆方向の物流業務を担当します。近年は環境への配慮から企業の廃棄物処理やリサイクルへの取り組みが求められており、この分野の3PLサービスの需要が増加しています。

また、回収した商品の検品、修理、再生など、製品のライフサイクル全体をサポートするサービスも特徴的です。このように、製品の回収から再利用までの一連の流れを効率的に管理することで、企業のサステナビリティ(持続可能性)への取り組みを支援します。

まとめ

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)は、企業の物流業務を包括的に請け負う重要なサービスです。

3PLを導入することで、企業は物流コストの削減や業務効率の向上、物流品質の改善といったメリットを得ることができます。また、本業への経営資源の集中や、物流体制の柔軟な対応も実現可能です。

サービスの形態も、倉庫型、輸配送型、フルフィルメント型、リバースロジスティクス型と多様化しており、企業のニーズや事業規模に合わせて最適なものを選択できる状況となっています。

昨今のEコマース市場の拡大や環境配慮への意識の高まりを受け、3PLの重要性は今後さらに増大するでしょう。自社の物流戦略を見直す際には、3PLの活用を積極的に検討することをおすすめします。