弁当と物流

弁当

突然ですが、一昨日の昼に何を食べたか覚えていますか? なかなか思い出せないものです。この問いにすぐ答えられる人は大きく分けて2通りいます。1つは牛丼・ラーメン・カレーの王道ローテーションに代表される「昼食固定派」。もう1つは「昼食は手作り弁当派」です。当社では最近「手作り弁当派」が増えています。

冷蔵庫から食材を取り出して調理し、弁当箱につめて、袋で包み、職場にもっていく……これが弁当作りにおける一連の流れです。この手作り弁当の流れは、実は ”物流” そのものなのです。買ってきた食材を冷蔵庫に入れる「荷役」、冷蔵庫で保存する「保管」、弁当箱につめる作業は「流通加工」におけるセット組みそのものです。袋で包む「包装」で、職場にもっていく「輸送」となります。この「荷役」・「保管」・「流通加工」・「包装」・「輸送」、これらは物流の5大要素と言われているものです。

弁当を持参する理由は、バランスの取れた食事という健康面的理由もありますが、むしろ、食費の節約という経済的理由も大きいそうです。所帯を持っている人の場合であれば、その効果はより大きくなるでしょう。1人分つくるよりも2人分作るほうが食材の無駄がありません。つまり、弁当を手作りすることで家計におけるコスト削減ができるというわけです。

企業経営の命題のひとつに物流部門のコスト削減があります。無駄を省き、リードタイムを短縮し利益を拡大させる。こうした考えが声高に叫ばれるようになったのは大量生産・大量消費の時代に翳りが見えてきた1970年代頃からになります。つまり、作れば作っただけ売れた時代が去ったことで、在庫管理が求められるようになったという背景があります。

それでは、次なる弁当作りのスタイルの提案のために、”物流”の歴史について、もう少し話をしましょう。

“物流”という言葉は1930代にアメリカのマーケティング関係者によって使われていたPhysical Distribution(物的流通)を略したものです。国内では1950年代頃から広く使われるようになったばかりの実は歴史の浅い言葉なのです。

その後、大量消費時代の終焉とともに物流の上位概念として”ロジスティクス”という概念がアメリカから入ってきました。これは、冒頭にお話をした5大要素のみに焦点をあてていた”物流”に加えて、さらに生産から販売までの「在庫の管理」まで焦点を拡大したものです。これは「木を見て森を見ず」から「木も見るが同時に森も見る」という、まさに部分最適から全体最適へとシフトしていった時代です。また、在庫管理による物流コスト削減がクローズアップされだしたのもこの頃で、1970年代後半になると小売業を中心に取引先との間の受発注、商品の資材調達から在庫管理、製品の配送までの効率化を経営的に行なう ”SCM(サプライチェーンマネジメント)” の考えが取り入れられるようになります。

もっとも実際にはロジスティクスは自社の物流部門に於ける部分最適であるのに対し、SCMは調達から生産・販売に関わる自社の複数の部門を跨ぐ全体最適に留まっているケースが多いようです。

では、弁当作りに話を戻しましょう。たとえば、翌日に弁当が必要な家族の分だけ作るというスタイルから、家族全員の予定を一週間分逆算して弁当に必要な食材を購入し、日持ちするおかずをまとめて作り置きするというスタイルに変えたとしましょう。このスタイルに変えることこそ、需要、調達、生産能力、在庫の最適化そのものなのです。家族全員すなわち複数部門を跨ぐ弁当作りのSCMです。

ただ、時としてSCMは、自部門にとっての最適化が、他部門にとっては必ずしも最適化とはならないことがあります。そのことから、収益に大きな影響を与える部門や、声の大きな部門の業務が優先されてしまい、全体最適が実現できないという大きなジレンマが企業に生まれてしまうことがあります。

3PL事業者の最大のメリットは、部門の力関係などに影響されず、客観的な全体最適を提案できることです。商品を保管すべき倉庫の提案、物量の波動に応じた流通加工、最短の納期を実現する輸送体制、さらには海外からの原材料の調達、これら全てを提案できるのが佐川急便を主力とした私たち佐川グループです。佐川グローバルロジスティクスはSAGAWA=佐川グループの窓口としてお客様に最適なご提案をいたします。当社には弁当男子ならぬ物流男子・物流女子が大勢おります。ぜひお客様のお話をお聞かせください。

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