『未来ノート』で道は開ける

第1回の連載では、20大雇用を始めたこと、障がい者雇用のきっかけについて書かせていただきました。

今回は、現在の私の礎となっている『未来ノート』について少しお話します。詳細については、拙著「『未来ノート』で道は開ける!」(2008年7月 マガジンハウス刊)をお読みいただけると良く分かると思いますが、現在でも講演の際、来場された方に「読みました」と言って頂ける私の最初の書籍となります。

私がノートを始めたきっかけは、大学卒業後、最初に勤めた会社での経験にあります。そこでは、マニュアルに則した机上の営業マン教育を行っており、日々、時間と業務に忙殺される毎日でした。その日々に嫌気がさし、3年を待たずに部長に辞表を出しました。

ですが、ありがたいことに当時の部長に引き止められ、私は新しい営業部署へと配属になりました。しかし、入社以来の3年間、営業らしいことは何一つしておらず、今度は夜も眠れないほど不安でいっぱいでした。

そんな中、中学生の時より読んでいたデール・カーネギー著の「道は開ける」の中の「今日1日だけを生き抜く」という言葉を思い出し、自分が抱えている不安や心配をなくすためにノートを書くことを始めました。当時は、1日のスケジュールや、タスクの書き出し、会議や商談の内容記載などが中心でした。しかし、ノートが埋まらなかったり、書くことに意識がいってしまい、思うように1冊を埋められず、試行錯誤の連日でした。ある日、大事な会議やイベントの準備の場合、あらかじめ用意や段取りがあるため、ノートをたくさん埋めていることに気がつきました。そして、会議やイベントがある日以外も、「今日という1日」はかけがえのない日なので、常に準備をすることで「最高の1日にすることが出来る」と。

その日を機に、2週間先の準備をすることを始めました。スケジュールを確認し、効率的にお客様先の訪問や、社内会議を連続して入れるなど、空いている時間が少なくなり、事前に準備を行うので、抜けやあわてることも減りました。そしてそれ以来、1ヶ月100枚のノートを書ききることを習慣化しています。ノートに書いていることは、スケジュール、1日の反省と感謝、課題、読書からの気付きなどです。これらを継続し2014年7月には295冊目のノートになりました。

私がノートを書く際に、意識をしているのは下記の二点です。

・きれいな文字で書くこと

・予定を立て、1日が終わったときに、どのようなGAPがあったのか振り返ること

きれいな文字で書くというのは、後で見返したときにわかりやすく、また、文字を意識することで、姿勢が良くなり気持ちが新たになるからです。これは脳にも良い刺激になっているそうです。

予定の振り返りは、自分の予想と、その日を過ごしてどのような違いがあったのかを確認します。1日を振り返ることで、新たな気付きや、感謝・反省をします。

ある時、書店で「1日30分続けなさい」(古市幸雄氏 著)という本が目に入り、手に取り読みました。当時、息子に継続の大切さを伝えていたのですが、年齢的なこともあり、どうしても親の言うことを聞き入れてもらえませんでした。そんな時、「こんな本もあるんだよ」と息子に本を見せました。その後、どうしても著者の古市さんにお目にかかりたいと思い、失礼を承知で連絡を入れてみたところ、快く面会に応じてくださいました。古市さんとの面会は当初の予定の時間を大幅に過ぎ、大変充実した時間となりました。当然、ノートの話にもなり、古市さんにお見せしたところ、「渡邉さん、これはすごいことだよ。是非、書籍化してノウハウを伝えるべきだ」とおっしゃっていただきました。ノートについては、自己流で特にやり方や何を書いているかなど、誰にも見せたことがありませんでしたので、これにはとても驚きました。そしてマガジンハウスの担当の方にお会いし、書籍化となったのです。

書籍化を契機に、今までのノートを見返し、自分なりにどのようなことを意識しているのか見直す良い機会にもなりました。

出版をすることで様々な変化がありました。今まで社員は、私がノートを書いていることは知っていても、詳細については説明をしていなかったのですが、真似をする幹部社員が増えてきました。アイエスエフネットオリジナルの100枚ノートを作り、今では何名かの役員が、100枚のノートを1ヶ月で書き上げるようになりました。また、継続すること、自己啓発、幹部研修に関する講演のお話も多数いただくようになりました。

最も興味深かったのが、書籍を読んだ方からの感想でした。「こんなにたくさんのノートを書けるはずがない」「どんな時間の使い方なんだ」「信じられない」という声が多かったように思います。ですから、講演の際には実際のノートを見せてほしい、というご要望も多く頂いております。

20大雇用(ソーシャルファーム)

ノートには良いことや予定も書きますが、トラブルや大きな課題があればあるほど、すべき事項やそれらに対するアクションがあるため、どんどんノートが埋まります。また、私は、朝の時間を利用し、書くようにしています。アイデアが出やすい環境は人それぞれだと思いますが、朝の時間や歩いている時間にアイデアが出やすいので、その時間を意識しています。加えて、ノートを書けるシチュエーションを常に意識しています。都内を電車で移動する場合は、ノートを書くことは出来ません。その時間は、アイデア出しの時間や、読書の時間とし、飛行機での移動時はノート、新幹線での移動の場合はPCを用いての仕事をするなど、予定を組み込み、何をするのかをシミュレーションします。

このようにして、私は道を開き、雇用を作り、今に至っています。

私の未来ノート術、時間の使い方が、何かの参考になれば幸いです。

ご意見や、ご感想などありましたら、ぜひお寄せください。

お読みくださりありがとうございました。

感想をお寄せください

Mail:c-o@isfnet.com