第7回 公正な事業慣行

企業は公正な事業慣行をどう実現するか

責任ある調達は倫理と善行の概念を尊重した純粋かつ全般的な懸念を伴った、顧客とサプライヤーの間のバランスの取れた関係の確立をもたらす。このアプローチは、腐敗⇒汚職との戦い、責任ある政治的関与、公正競争、バリューチェーンの中の社会的責任の促進、財産権の尊重に関する公正な運用慣行についてのISO 26000の勧告を適用する確実なコミットメントを調達方針の中に包含することを要求している。

大手タイヤメーカー、自動車部品の価格カルテル 2014/2/13

米司法省の13日の発表文によれば、大手タイヤメーカーは自動車メーカーに販売した防振ゴムの価格を操作し、販売を割り当てる共謀に関わった。2001年から少なくとも08年12月までこれに関与していたという。

同省は自動車部品業界の価格操作や談合について反トラスト法(独禁法)違反の疑いで調査を進めてきた。大手タイヤメーカーを含め26社がこれまでに有罪を認めるか、罪を認めることに同意している。大手タイヤメーカー は価格カルテルに関与した事実を認め約435億円の罰金を支払うことで米司法省と合意した。

大手タイヤメーカーは発表文で、コンプライアンス(法令順守)強化の取り組みにより、司法省に追及された行為は08年に終わったと確信しているとした。

同社は11年10月に別の価格カルテルで反トラスト法に違反した罪を認め2800万ドルの罰金を支払っていたが、米司法省によると、同社は当時、防振ゴムの共謀への関与を明らかにしていなかったという。

大手タイヤメーカー談合事件 2011年9月

2011年9月15日、日本のタイヤメーカーが、マリンホース等の製品販売に絡む談合と中南米の政府当局者への贈賄を企てた罪を認めた。

同社は、2007年5月から国際カルテルへの関与の容疑及び、中南米の外国公務員に対する不適切な支払いについて、米国司法省の捜査を受けていた。

今回の有罪答弁合意書で大手タイヤメーカーは、米国独占禁止法(Sherman Act)及び米国海外腐敗行為防止法(FCPA: Foreign Corrupt Practices Act)違反の謀議について罪を認め、今後自社のコンプライアンス体制や内部統制を強化することを誓約することにより米司法省と合意した。

FCPAでは、米国内での違反行為にのみ適用するとされているが、この点について米司法省は、同社が日本からアメリカ支社の職員に対してメールやファックスを送っていたことを根拠に、アメリカにおける贈賄行為が成立すると判断した。日本企業が米国以外の国での腐敗行為に対して制裁を受けた。

本件において米司法省は、同社がマリンホースの価格カルテルに関与し、さらに同社の現地の営業所が中南米の外国政府当局者へ不正な支払いをしていたとしている。

法人への罰金は、独禁法違反最高額1億ドル(約76億円)、FCPA違反最高額200万ドル(約1.5億円)であるが。

日本のタイヤメーカー、米タイヤ大手と提携解消 日米欧6合弁見直し 2014/2/13

タイヤ世界5位のタイヤメーカーは13日、資本・業務提携する同3位の米タイヤ大手から提携関係解消の申し入れを受けたと発表した。

両社は現在、日米欧にタイヤの生産・販売など6つの合弁会社を持つが、すべてを見直す方向で交渉を進める。日本のタイヤメーカーが海外事業の戦略見直しを迫られるのは必至で、海外大手も含めた新たな再編につながりそうだ。

両社は1999年に資本・業務提携で合意。現在、日本のタイヤメーカーのブランドと米タイヤ大手のブランドのタイヤについて欧米に生産・販売会社、日本に販売会社を持つほか、米国に調達や技術開発の共同出資会社を設けている。

米タイヤ大手は提携関係の解消について、企業間の紛争を調整する国際商業会議所に仲裁を申し立てた。両社は合弁事業により独自の販売戦略が実行しにくい状況にあった。近年では日米欧以外の新興国で両社の競合関係が激化。同社は提携のメリットが薄れたと判断したもよう。

日本のタイヤメーカーが欧米に自前の工場を持たないなど提携を前提としてきた両社の生産販売網は再構築を迫られる見通し。

「米反トラスト法に違反する行為」

米タイヤ大手が日本のタイヤメーカーとの提携解消の理由について「米独占禁止法(反トラスト法)に違反する行為にかかわったため」と指摘したことが14日、分かった。米タイヤ大手が米証券取引委員会(SEC)に届け出た報告書への記載で発覚した。

提携解消は、世界的な競争激化による側面も大きいといえそうだ。特に、近年は低価格を武器にシェアを拡大する中国などの新興メーカーが勢力を拡大。これまで安泰だった大手の地位を脅かすまでの存在になっている。

両社は、日本と欧米市場をすみ分ける形で勝ち残りを模索してきたが、市場が急拡大するアジアでは提携外のために競合となっていた。足元の日米欧市場でも提携が足かせとなり、事業拡大が限定していたのも事実だ。

一方、タイヤ最大手メーカーも、自動車部品カルテル問題で、罰金の支払いに同意した。

国際貿易取引を制限する連邦規則

項目

内容

1

U.S. Foreign Corrupt Practices Act

連邦海外腐敗行為防止法

2

International Anti-Bribery Act of 1998

国際贈収賄禁止法

3

Anti-boycott legislation

反ボイコット法

4

Export Administration Act

輸出管理法

U.S. Foreign Corrupt Practices Act FCPA 連邦海外腐敗行為防止法

米国の連邦法であり、二つの主要な規定を有することにより知られている。第一は、外国公務員に対する賄賂の支払を禁止する規定であり、第二は、証券取引法(Securities Exchange Act of 1934)に基づく会計の透明性を要求する規定である。

1977年に採用され1988年に改定された。外国官僚との賄賂を禁止した法律。FCPAと略称されることが多い。次の2つの規定を有する:

 外国公務員に対する賄賂の支払を禁止する規定(賄賂禁止規定:Anti-bribery provisions)
 証券取引法に基づく会計の透明性を要求する規定(経理規定:Accounting provisions)

International Anti-Bribery Act of 1998 国際的賄賂禁止法

本法は米国市民と企業に対し他国の公務員から便益を得てはならない。

経済協力開発機構(OECD)の1997年の賄賂禁止条約の内容を国内法に反映させた。

賄賂禁止規定は、外国公務員への支払について、賄賂と、いわゆる「円滑化のための支払」 (facilitation or grease payments)と区別している。

後者は現地法上違法でなければ許されている。

賄賂禁止規定の対象者
 上場企業(issuers)
 国内企業(domestic concerns)
 如何なる者(any person)

Facilitation or grease payments

外資系のある会社では、そのオペレーションに関連するファシリテーション・ペイメントを禁止している。この手段は、典型的には下級レベルの公務員等に対する慣習な小額の支払であって、自由裁量のない通常の行政機関のサービスにかかる手続の円滑化を目的とするもの。

会社のためにビジネスを獲得、維持するために、または取引上の決定に影響を与えるために、直接・間接を問わず、いかなる人に対しても、賄賂またはリベートを申し出たり、供与したり、支払ったり、支払の約束をしたり、許容したりしない。

これには、公務員等、政府機関、さらに不正な意図をもった民間人も含まる。不適切な支払を容易にしたり、隠したりするために、「簿外」口座をもたない。すべての支出その他の支払は、会社の会計帳簿書類に正確に記載されなければならない。公務員等を含むいかなる人に対しても、不適切な影響を与えることを目的とした支払は一切おこなわない。

著者紹介

上原 修 (うえはら おさむ)CPSM C.P.M. MBA JGA
特定非営利活動法人日本サプライマネジメント協会TM
仏ESSECビジネススクール 国際調達・特任教授
法政大学経営大学院サプライチェーン兼任講師
東京工業大学大学院MOTサプライチェーン戦略スクール講師

略歴
大学卒業後、日本鉱業株式会社(現:JX日鉱日石ホールディングス株式会社)にて購買部に勤務、コンゴ鉱山開発会社駐在、本社国際購買担当部長、日鉱ニューヨーク事務所長歴任。米系外資(株)アルファパーチェスにて常務・購買本部長を経て、米ISM日本代表に就任。MBA経営情報学修士。米グローバルANSI購買資格(C.P.M.) 及びグローバル調達経営資格(CPSM)取得。国土交通省通訳案内業免許取得。フランス政府留学ポアチエ大学Diplome学位取得。企業留学仏ブザンソン大学文化教養学部修了Diplome学位取得 一橋大学伊藤研究室ビジネススクール修了。

主な著書
『枯渇性資源の安定調達戦略』(単独著)2011日刊工業新聞社、『人にやさしい会社 安全・安心、絆の経営』(共著)2013白桃書房、『フランス人の流儀-日本人ビジネスパーソンが見てきた人と文化』(共著)2012大修館書店、『ISO-26000実践ガイド』(共著)2011中央経済社、『グローバル戦略調達経営』(単独著)2008日本規格協会、『購買・調達の実際』(単独著)2007日本経済新聞、『やさしいCSRイニシアティブ』(共著)2007日本規格協会

資料ダウンロード

お問い合わせ

お電話でのお問い合わせ 0120-818662 受付時間:平日 9:00-17:00

国際貨物専用ダイヤル 0120-18-9595

貨物追跡サービス

GOAL